困った時に助けてくれる人

2018.10.15 Monday

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    彼女から連絡があったのは昨日のことだ。
    彼女とは毎月末に援助交際をしていた。まだ、約束の日には早い。
    今月はピンチなので援助してもらえないか?とのことだった。
    彼女がお金を何に使っているかは知らないが、月に何度も援助交際ができるほど僕も裕福ではない。
    ただ、僕はどうにも断りきれず、また彼女にちょっと恩を売っておこうかなどとも思った。本当に困った時に助けてくれる人になれば、彼女の中で僕のイメージが上がる。僕も生活費を削って余分な援助交際費を捻出した以上は、存分に楽しませてもらう。
    そして、僕は普段よりも濃厚なセックスを彼女と味わった。心なしかいつもより彼女は蕩けていたように見えた。それがまた僕の興奮を誘い、痛い出費ではあったが、元は取れたつもりでいた。
    だが、そこから彼女と連絡がつかなくなった。本来の約束の日にも彼女とは会えなかった。
    彼女が一体どこに消えたか、僕がそれを知ったのは一本の電話によってだった。
    彼女は警察に捕まっていたのだ。覚せい剤取締法違反である。
    僕が渡したお金は、クスリに消えていたのである。僕に援助を要求してきたのは、クスリを買う金を確保できなかったためだった。
    そして、僕もまた警察に徹底的に捜索を受けた。共犯の疑いありと思われたのだろう。
    僕は彼女がクスリをやっていることは知らず、当然ながらクスリも所持していない。
    疑いは晴れたものの、後味の悪さだけが残った。
    もしもあの時、僕が金銭面の事情で援助を断っていればどうなっただろうか。
    確かに、僕は彼女にとって本当に困った時に助けてくれる人になった。だが、彼女の困りごと=クスリを買う金だったのだ。
    僕が断っていれば、彼女はクスリを買う金もできず、それをきっかけにクスリ断ちできていたかもしれない。
    そう考えると、僕は彼女が本当に困った時に助けてくれなかった人なのではないだろうか。
    彼女は初犯であり、更生施設に入れられた後に不起訴処分で釈放される見込みらしい。
    もう、彼女と会うことはないだろう。ただし、携帯電話からアドレスは消していない。僕の中のどこかで彼女に対する罪の意識が残っているのだ。
    裏垢女子
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